私の3.11

2011年3月11日、私はアメリカ・NYCにいた。

新卒で大手と言われる銀行へ入社し、貿易関係に関わる仕事だった為、「3年位したら、NYに貿易系の有料インターンでも行こうかな。」と考えていた。

色々と考え、貿易は辞め、9月から12月までオーストラリア・シドニーで日本語教師養成講座を受講。でも、「やっぱりNYには住んでみたい!」と2011年3月9日からアメリカ・NYへ。

ボランティアをすることは事前に決めてもいた。

シェルターの犬の散歩をするボランティアがあることを知り、3月10日(日本時間3月11日)に登録へいった。

115stあたりから、23stあたりまでだったかな?散歩がてら歩いてみた。理由は、地下へ行く階段がなんだか怖かったから。

登録会場で話を聞くと、シェルターの犬の散歩募集はなく、子供にPCや数学などを教える仕事しかなかった。

「英語でコミュニケーションを取れたとしても、知識も必要だし、募集レベルの知識があったところで、それを英語で説明できるのか?そもそもあまり興味がある内容がない…」

「自分って何もできないんだな…」と目の当たりにした日だった。

時差ぼけもあり、夜中に眠れず、家族とスカイプをしていた。

いつも「この日から海外へ行ってきます。滞在先はここです」と言う度に、私に母は、「帰ってきて家がなくなってたらどーするの!」とよく言っていた。

「病院にでも行ってこようかな」と言いながらも電話を切らない母。

それに付き合う眠れない私…ちょっとしたら、「地震だ」と。

「結構強いし、長い」と画面を見ててもわかる位だった。

上から姉と甥っ子が降りてきて、「ひどい。怖い」と言っていたら、画面が固まって映らなくなった。

ボーダフォンを持って行っていた私は、急いで家にかけるもつながらない…

そんな時に色々な国の友達からメールが届いた。ニュースってすごく早く世界発信されるんだなと思った覚えがある。

スカイプで知り合いの会社に連絡すると、「大丈夫だけど、家に帰る」と。

連絡が取れず、「家がなくなってたらどーするの!」の言葉と、「ボランティアでも何もできないと思ったけど、本当に何もできないな」と頭の中がくるくるしした。「家がなくなる」とか「震災がきて、家族がいなくなる」とか考えもしなかったから。

当時、スカイプがそこまで主流になっておらず、スマホにダウンロードしてる人は珍しかった。義兄がやっていたので、連絡を取ったら、すぐに取れ、「インターネットはいけるんだな!」と思った覚えがある。

連絡を取れ、数時間寝て、家のスカイプがつながっていたから連絡をしたら、上野から出張に行くはずだった親戚がいた。以前私が上野から家まで歩いた話を思い出し、「あいつにできたんだから、私にもできる!」とうちまで歩いてきたらしい。父のお店は、帰宅難民で混んでいた。

当時、イーストハーレムに滞在していた私は、予約した後に「そこって危なくない?」と聞き、雰囲気も怖いとこがあったから、色々と怖かった。

そんな時、雨漏れがひどく、工事の間だけ、タイムズスクエアのアパートメントホテルに移動するように言われた。

元々劇団四季にいた日本人男性らしい。

シドニーであったプロのダンサーの先輩が「ダンスほど練習すればできるものはないよ!才能はいらない!」と言っていたこともあり、NYだしダンスに挑戦しようと思っていた。

NYといえば、ダンス、ヨガ…両方やってみよーと。

そして、その男性に教えてもらった学校へ通った。

そのダンススクール、よく日本の芸能人も行くみたいで、テレビでみる度に懐かしく感じる。絶対に通わなくなると思っていたので、10回券を購入。

アパートメントホテルを紹介してくれた会社で、クイーンズでのボイトレの講座も見つけたので、やってみることにした。

「だって、NY!エンターテイメントを体験しないと!」という理由と、ロンドンでもボイトレをしたことがあったから。本当はピアノをやりたかったけど、練習ができないという理由で…でも、その時に「発音練習にはいいのかも!」と思った。

そんなこんなで、色々あり、やりたいと思っていたことなどの情報を得ること、タイムズスクエアの滞在先で知り合った日本人女性2人と遊びに行ったりして、募金くらいしかできないと、赤十字にネットで募金をし、ジャパンファンデーションに募金をしに行った。国連で募金ができると思って、「飛行機に乗るのか!」という位のチェックをして、入ったのに、スタッフに「ここじゃない」と言われ、すぐに出た覚えがある。

3.11は「何もできなかった!」という記憶とともに、以上のことを思い出す。

あと、数ヶ月後に帰宅したら、買ったばかりのプリンターが落ちて壊れてたこと。

それぞれ皆が体験した3月11日があると思うけど、私は「何もできない」という、初心を忘れないこと、家族が健康に生きている幸せを感じる日にもなっている。

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