東京のすし屋の娘でもある、江戸前寿司伝道師Satomiです。
皆さんは、すし屋にどんなイメージを持っていますか。
「すし屋は格式が高くて入りにくい」
「すし屋のランチに行って見たものの、マナーがわからなくて怒られないから心配だった」
「すし屋に行ったけど、セットメニューしか頼めなかった」
「すし屋でお好みで注文する勇気がない」
など、すし屋はちょっと入りにくいイメージがあるのではないでしょうか。
そこで、今回は、ぼったくられても仕方ないと思う対応と心得る事をお伝えします。
すし屋の歴史

「すし」は、元々、屋台や天秤棒を担いだ行商のようなもので、気楽に食べられるファーストフードでした。ファーストフードのようなものと言うと安そうと言うイメージはありますが、その中でも安い店もあれば高い店もあったと言われています。
現在は、「すし=高級品」というイメージをする人が多いのではないでしょうか。しかし、それは場所や店主次第なところもあるかもしれません。
すし屋の選び方と特徴

確かに、すし屋は魚を捌く事はもちろん、味付けをしたりの仕込みも大変だし、提供するまでに色々とやることがあります。手間と仕入れ代がかかる分、それなりの値段にはなるでしょうが、店主が誠実でいろいろな人に寿司を楽しんでほしいなどと思う人であれば、ぼったくることなく、時にはサービスもしてくれるかもしれません。
最近は、サービスをしていただいても当たり前と思っている方も多いように感じています。でも、いくらお客さんでもされるばかりではいけませんよね。
江戸時代に言われた「江戸っ子」の条件に当てはまる人は、なかなかいないかもしれませんが、とわいえ、東京で育ったものは、江戸っ子気質がある人が多いように感じます。
サービス精神が旺盛で、曲がったこと、肩書きを前面に出したり、気取っていたりする人が嫌いであったり、話がすぐに逸れるのも江戸っ子の特徴かもしれませんね。
東京のすし屋はそのような特徴を持った職人さんが多いように感じます。
すし屋でのご法度
どのお店に行っても、気をつけなければならない事はただ一つです。
「俺は客だ!」と言う態度にならないと言う事。
カウンターに座る事をステイタスにしている人は、カウンターのあり方を理解していない人が多いように感じています。
すし屋は、カウンターでお好みで注文を受けたら、お客さんのリズムを見ながら提供をするでしょう。わざわざカウンターに座るなら、その間合いを楽しむことも大切ですよね。
また、二人でカウンターに座った場合、上座から提供することもあるかもしれません。
社長を下座に座らせといて、「なんで社長から出さない!」などと言うこともあり得ませんよね。すし屋はどの方もお客さん。社長を優先して提供してほしい場合は、自分が立場をわきまえて行動するべきでしょう。



また、煮る・漬ける・焼くを見るために、「穴子、こはだ、たまごの三種」とよく言いますが、食材が身近で調理法にも詳しかった昔の人に比べ、ネタのこともよくわからない人がどれだけ判断がつくのかと考えている職人さんもいます。「今日のお勧めは?」などと聞くのも考えものですよね。
すし屋で偉そうな発言をしたり、自分が詳しくなったつもりで発言する事はもちろん、「安いね。この辺は滅多に来ないから驚いたよ」などと偉そうに言う人もいると職人さんが書いた本を読んだことがあります。
すし屋では、値段や他の店の事を話すのはご法度です。
どの職人さんもプライドを持ってやっているので、他の店のことを言うなら、そっちにいけば良いでしょう。お客さんはお店を選ぶことができます。しかし、そう言う話をする人は、どの店でも嫌われているのではないでしょうか。
客として気をつけなければならない事
すし屋には符牒と呼ばれる専門用語があります。
それには数字に関することもあり、職人さんが何人かいるお店では数字の符牒も使っているかもしれません。
やっている人がいるかまではわかりませんが、「このやろう!」と思われたら、価格に迷惑賃をプラスされるかもしれませんね。
常識外れな事をしたら、自業自得かと思いますが、お店がおかしいと思う場合もあるかもしれません。
そのお店それぞれにこだわりがあるでしょうし、自分が楽しめないならいかなければいいと思いますが、その判断をする基準になるのが、「もてなし」の精神だと思います。
最近は、「うわぁ、この人店で嫌がられただろうな」と思う、自分勝手なレビューも見ますが、「もてなし精神のある人のレビューだな」と見て分かるものもあります。
また、「この人、普段すしや行かないんだろうな」と分かるレビューも見ます。
そう言った方にかけているのは、この「もてなし精神」です。
すし屋のレベルを評価する前に、自分自身を見直すことも大切です。
Youtube
まとめ
食べ方や食べる順番などを気にする前に、「もてなし精神」を身につける事をお勧めします。
食べ方など以前に大切な事は、日本人としてどのように対応するべきかの部分になります。
「もてなし精神」のない方は、常連客の多いすし屋では村八分にされるかもしれません。
すし文化からも「もてなし」を学べます。
すしのことだけでなく、「もてなし」を含めた日本文化を学びたい方は、こちらの講座をお勧めします。
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参照:『すし屋の親父の独り言』(三ツ木新吉著)