東京のすし屋の娘でもある、江戸前寿司伝道師Satomiです。

皆さんは、魚のおいしさは何によって決まると思いますか。また、どの魚が好きですか。

魚に限らず、最初に不味いものを食べると、嫌いな食べ物になってしまいますよね。

魚ではありませんが、私はあるお店のシンプルに作られたパクチー料理を食べてから、パクチーを食べられる様になった経験があります。

今回は、魚・刺身の美味しさのお話をしたいと思います。

魚食文化の歴史

縄文文化時代の初期、農耕はまだ定着しておらず、生活は狩猟と漁獲が中心で、人々は狩猟に有利な台地や漁獲のために、海辺や湖沼の周辺に居を構えていたと言われています。縄文初期の貝塚はアサリ、はまぐり、カキなどの貝殻の残がいが主でしたが、縄文中期頃になると土器とともに漁具の部分品なども見つかっています。縄文末期では、貝よりも、多くの魚が採られていた事を貝塚から知ることもできます。

日本の魚食文化の特徴

日本人は米食民族で、魚食民族です。魚を酒菜(さかな)と呼ぶほど魚介に依存してきました。

日本の形成は四方を海に囲まれ、春夏秋冬が規則正しく巡りくる国であることに基盤を置いている魚好きの旬を重んずることに魚食文化の特徴があります。

「旬」とは?

旬とは、魚介や野菜などの食材が一番多くとれ、栄養価が高く、かつ最も美味しい時期です。

周りを海に囲まれた日本は、北方からの寒流に乗ってくる魚と南方からの暖流に乗ってくる魚の両方が近海で合流しているので、魚介類が多くの旬を提供してくれます。

日本人が季節ごとの自然の恩恵を海に求めたことは当然の成り行きであったとも言えるかもしれません。

他国と異なる点

伝統的な日本の料理に対する考えは、食材をできるだけ生かして、加える技術最小限にとどめることが基本となっています。手を加えない日本料理の代表が刺身で、生の魚肉を切ったものにわさびを添えて醤油をつけて食べるだけです。握り寿司も、酢飯にわさびを添えて刺身を乗せただけ。しかし、自然の食材の持ち味を殺すことなく料理をすることを重んじてきたため、醤油や酢・塩などの調味料は、少しだけで、味を生かす為に、料理人は、きれいに切ったり、美しく盛り付けたりすることに技術を磨いていると言えるでしょう。こうして、日本の食文化は五感に強く訴える料理として発展していきました。

五感に強く訴える料理

目(視覚)…色や形、さらに盛り付けにおける皿の上での美的空間を大切にする

鼻(嗅覚)…香りを大切にし、香辛料で匂いをつけるのではなく柚子や山椒の葉といった自然の食材でアクセントをつける

口(味覚)…普通の味=四味(甘・苦(渋)・酸・塩)があり、さらに日本では「うま味」が加わりました。辛味については、刺激感の問題として味の一つに加えない場合が多くなっている。

口(味覚)…味の他に大切なものが触感であり、噛んだ時の「歯ごたえ」も日本人が特に好む。

味覚と嗅覚は人体の感覚器のうち、特に外界からの科学物質を感知する器官。

脳に伝え、美味しさを判断。

耳は鼻や口と連動していて、耳の病気があると鼻や口が正常でも美味しく感じられないという経験もあるのではないでしょうか。

また、音がうまさのポイントになる場合もあります。

例えば、蕎麦やせんべい。

「サラサラ」「パリパリ」「ガリガリ」「サクサク」音を出して食べることも時に良いものになります。

手(触覚・音覚)…単に口に運ぶだけでなく、箸を持つ手から、椀を持つ手から温かさや重さ・堅さなどが伝わります。

おにぎりや握り寿司・巻き寿司は、手で食べた方が美味しいと感じる人も多いのではないでしょうか。

このように四季折々の多彩な旬の味を五感で楽しむことで日本人は幸福感に浸れるかもしれません。

「おいしい」「うまい」

現在では、同じ意味で使われる「おいしい」と「うまい」ですが、美味しいの語源は「いしい」で、美しいに接頭語の「お」をつけたものだと言われています。

よい・好しい・みごとといった賛美の言葉であり「うまい」より上品な表現です。

一方「うまい」は、美い・甘い・旨いであり、うま味の概念が含まれていることから「おいしい」より、さらに狭い意味で使われることもあります。

日本人が重視するうま味は、古来からの米文化と魚文化に要因していて、旬になるとこの食材のうま味の中核をなすグルタミン酸の総量が増し、かつバランスが良くなると言われています。

魚の美味しさ・うま味を評価する大切なもの

魚の美味しさ・うま味を評価する最も大切なものは鮮度。一般的に鮮度の良い魚は目玉が黒く澄んでいて、腹がしまって、全体に艶とぬまりがあり、えらが赤く、うろこが取れていなくて身を押すと弾力があるもの。昔から鮮度に応じて魚は「生で食え、焼いて食え、それでもダメなら煮て食え」と言われています。鮮度のよい魚は最低限の料理技術である「切る」と最低限の味付けの「醤油に漬ける」だけでも良いかもしれませんね。

Youtube

参考:現代すし学-すしの歴史とすしの今がわかる-(大川 智彦 著)

『知って楽しいキャラ図鑑 みんなの寿司ワールド』小川洋利

まとめ

旬のものを五感で楽しむことで、心豊かに食事ができるかもしれませんね。

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