東京のすし屋の娘でもある、江戸前寿司伝道師Satomiです。

皆さんは、良い寿司職人をどうみつければ良いか考えたことはありますか。

「またあのお店行きたいな」「美味しかったな」「楽しかったな」など、良い時間を過ごせたお店を気にいるかもしれませんが、良い職人さんを見つけようと思った時、どのように判断しますか。

今回は、「文化や武士道から良い寿司職人を見つけるヒント」をお伝えしたいと思います。

見て覚えろの世界

職人の世界は、「見て覚えろ」のイメージがあるのではないでしょうか。

ただ見ていても覚えられませんが、言語的に「見ることができるか」を判断することができるかもしれません。

日本独自のものとして、気候があり、自然を大事にして生かしていくという精神があります。

自然をよく見て分析して、そこから良いものを取ってこようとしました。

アラビア文明、ヨーロッパもそうだと言われています。文明が力を保つために大切なことは、「ものをよく見る」ということ。「よく考えて、見ることや見たことを正確に言葉にすること」が大切なのです。言葉をおろそかにすると見ることがダメになります。

「事実・真実に対して謙虚に理論的に見抜く習慣」を養うことが大切です。

良い職人は、技術に関することでも、理論的に説明できるでしょう。

職人道

「自分は寿司職人になる!」など自分の歩く道筋を自覚することが、一人一人が「道」に目覚めることであり、「覚悟」。「自分はこのように生きる!」などと決めた時、そこに自分の「道」が開けます。たとえば「自分は寿司職人として生きる」と覚悟した時、そこで見えてきた道のことを「職人道」となります。

自分の「道」を発見すると、自ずからそこに「道徳」が生まれます。

なぜなら、ほとんどの人が「どうせなら、いい職人になろう!」と考え、それが「目的」となり、そこに向けて努力が生まれます。良い職人になるためには、お客さまに喜んでもらわないとならないので、客に嘘をつくようなことがあってならないし、より良いものを適正な価格で提供しなければなりません。

実力があって自信がある人は、馬鹿なことはしないでしょう。なぜなら、道徳が身につかないのは、実力がなく自信がない人間であり、弱いから、卑怯なことや馬鹿なことをするから。道徳だけでなく、美学も一緒もでしょう。

美学

職人と武士は通ずるものがあると感じます。

武士の美学として「清潔さ」「綺麗さ」という言葉をあげることができます。丹精で清潔な美しさを好み、強さと結びついていると言われます。「見る力」が強いほど、その武士は強い。つまり、相手の油断や隙を見つけられるかどうか。隅々まで神経が行き届いていなければ、相手の油断や隙は見つけられません。逆に、自分も敵から見られている。敵が自分を見る力と、自分で自分を見る力との、どちらが勝っているか。そこが勝負の分かれ目になると言われています。武士が端正、清潔を好むというのは、隅々まで神経を行き届かせることと同義であり、「生きるか死ぬかの戦闘の現場」での強さに直結するものです。

一方、職人は、清潔さ、綺麗さはもちろん、隅々まで神経が行き届いていなければ、魚の見分け方はもちろん、美しい刺身の切り方、美味しそうな寿司を作れず、食中毒を起こしかないでしょう。魚を捌くときは、よく見て、美しさはもちろん、アニサキスなどを駆除をすることも大切ですよね。カウンター越しに、常にお客さんに手元が見られているのが寿司職人。客が満足できるネタを準備することも大切です。端正、清潔を好むというのは、隅々まで神経を行き届かせることと同義であり、職人を続けられるかにつながることでしょう。

理想の「道」

「理想の自分」と「今生きている自分」をイコールにしようとする、そう言う生き方を昔の人は「道」と呼んでいました。

江戸時代に「道」の思想は大いに流行し、江戸時代の人はこれを「道」の1番の基本だと思ったと言われています。

「誠」

「誠」とは、「真実ででたらめでない」という意味。イコールであるように、努力して「誠」にするよう頑張らなければいけないということが大切であり、職人は常に努力が必要でしょう。

「ここで終わり」「ここで完成」と言うことはなく、一生かけて、ずっと自分の理想と一致するために努力し続けなければならりません。それが「之を誠にする」人の道です。

「義」

1つの「道」の世界であり、何か作品を作るときに、自分の理想の姿とピッタリイコールになるようにこだわりぬく。

歳をとって切れ味悪くなった場合、理想にこだわりぬく職人は「これはダメだ」と言ってそれを打ちこわして捨てるでしょう。普通の人には勿体無いと思うかもしれませんが、職人はそういう頑固なこだわりが大切です。

「利」

「義」とは、武士の世界では基本的に「利」の反対語として、単純な意味で使われているそうです。赤穂浪士が「義士」と呼ばれるときの「義」。武士の仕事は先頭で、それに対して報酬がある。この報酬が働きに見合っていること、つまりイコールであること。それが武士の考える「義」の本来の意味合いだと言われています。

「利」は、それとは正反対で、したことと得られるものとがイコールではないことを意味します。

働きと評価がイコールであることにとてもこだわり、評価が低いと当然抗議をしたと言われています。

寿司職人はお客さまに対し、あからさまにイコールを求めないかもしれませんが、職人に答えることでイコールの関係にすることが大切でしょうね。

Youtube

参考:日本・日本語・日本人 (大野晋・森本哲郎・鈴木孝夫 著)

本当の武士道とは何か(菅野覚明 著)

武士道 (山田一繁 著)

まとめ

イコールにこだわるのは、「道」の世界では基本。一部ですが、武士道から良い職人を見つけるヒントを紹介しました。良い職人さんに「またきてほしいな」と思ってもらえるお客さんになれると良いですね!

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